【人生】応用行動分析(その2)
応用行動分析では、目に見える「行動」から、その背景にあるものを考え見つけることで、その行動に影響を与える方法を探ります。
「行動」は、「感覚(脳の感じ方)」「認知(これまでの経験)」「スキル(目の前にある事象への対処方法)」が表面化したものです。
ここで、ある行動をこどもに教えるということから「行動」について考えてみたいと思います。
◆書き取りの字がきたないこどもに、きれいな字を書くことを教える
「教える」とは、行動理論の「学習すること=自分の行動を変化させること」の定義から考えて「教える=相手の行動を変化させること」となります。
それでは「なぜできないのか」を考えてみます。
それは、そのことをやるために必要な次の3つがないからです。
①「知識」がない
②「技能」がない
③「意欲」がない
書き取りの字がきたないのは、例えば次のように考えられます。
①「知識」がない:書き順を知らない
②「技能」がない:トメ・ハネ、バランスなど”きれいな字を書く”技能がない
③「意欲」がない:そもそもその気がない
◆難しいのは「意欲」への対応
すでに述べた①②は練習で克服できます。
こどもを支援することで難しいのは意欲を育てることです。
応用行動分析では「褒める」ことがもっとも効果的であると考えられています。
褒め方るポイントは4つあります。
①その場ですぐ褒める
②褒め方を工夫する(言葉、態度、名誉・・)
③具体的に褒める
④適切な間隔で褒める(初めは毎回、徐々に間隔をあける
この中で④について書きます。
適切な間隔で、とはどういうことでしょうか。
人間は「定期的に褒められる」よりも「不定期で褒められる」方が意欲が出ます。
適切な間隔で褒めるということは、必ずしも決まったタイミングで褒めるということではないのです。
※以前このブログで脳の報酬システムについて書いています。
次に、褒める回数を徐々に減らしていくということについてです。
端的にいうと褒められ慣れないように、少しずつ回数を間引きしていくということです。
◆つまり整理すると、、
教えることは相手の行動を変えさせる行為であり、行動を変えるためには知識・技能・意欲が必要である。
行動できないときはこのどこでつまづいているかを考えてみる
ということになります。