【人生】応用行動分析を学ぶ
最近、応用行動分析という理論を勉強しています。応用行動分析とは「行動」に着目し、その背景にある原因を探るというものです。
その背景により表面化しているものが「行動」なので、背景を知らなければ行動は変わらないという理論です。
これは発達障害のこどもの療育に使われていますが、認知症に応用している人もいます。また発達障害でなくとも共通した考え方として取り入れることができます。
例えば1才のこどもがお茶碗をガンガン叩きつけて困る・・・
大人には理解できない行動も、こどもの発達の過程であることはわかっています。
こどもにとっては固さを知る、叩くと音が出る、すべてが学びの途中です。
しかし現実では、お茶碗が割れたら怪我をするしテーブルは傷つくし・・
良し悪しを判断できない年齢のこどもに対して叱れば良いのか、好きなだけやらせるのが良いのか、わからないことだらけです。
そこでこの理論の基本を用いて考えてみたいと思います。今回は基本中の基本から「応用行動分析」を紹介します。
◆行動には、その「前後」がある
まず行動は【先行条件➡行動➡結果】という順序で成り立ちます。
「先行条件」は行動を起こさせるもの、
「結果」は行動して得られたもの、
を意味しています。
何の情動なく行動することはありませんよね。
そしてその行動には何かしらの結果がついてきます。「楽しかった」、「みんなから注目された」というプラスの結果もあれば、逆に「叱られた」などマイナスの結果もあります。
それが【前提条件➡行動➡結果】です。
◆好子と嫌子
とある行動をより活発化させる良い要因を「好子」、逆に抑える嫌な要因を「嫌子」といいます。
- 良いこと(好子)を与えその行動を増やすことを「正の強化」、
- 嫌なこと(嫌子)を与えその行動を減らすことを「正の弱化」
- 嫌なこと(嫌子)を取り去ることでその行動を増やすことを「負の強化」
- 良いこと(好子)を取り去ることでその行動を減らすことを「負の弱化」
と言います。
なかなかややこしいです。
ここでは先程書いた「お茶碗をガンガン叩きつける1才児」を例に書いてみます。
まず「好子」「嫌子」は言葉を話せないこどもにも重要な要素です。
【先行条件➡行動➡結果】に当てはめると
親は嫌子だと思い叱るとします。嫌子であるならば行動は収まるはずです。しかしエスカレートすることがあります。
何故でしょうか。この場合、【叱る】が好子になってしまっているからです。
【叩きたい本能➡叩きつける➡叱られた(こどもにとっては”親の反応を引き起こす”ことに成功)】ということなのです。
これをやめさせるには、別の好子を見つけます。(実は嫌子は難しいのです)
お茶碗も永遠に叩きつけているわけではありません。止めたときに、止めてくれてうれしい!と伝えたらどうでしょう。
止めた行動によって、喜んでもらえた!という結果を得ることができます。それが好子になります。
もし、行動を変えさせたいのであれば、どうした時にエスカレートしているのか、逆にどうした時に抑えられているのかを観察していなければならないのです。
◆観察することから始まる
子育てでは特に言えることなのですが、「こどもを観察する」ことは、こどもと接する上での重要な項目となります。
そして「良い環境、多くの自然な体験」を与えることもとても重要です。
脳科学、発達心理、保育、幼児教育、いずれも「観察と環境作り」がこどもの発育の前提であり重要事項とされています。
親がどこまで楽しんで寄り添っていけるのか、これがこどもに大きな影響を与えるということなのです。