【働く】育休中のジレンマ

私が産休、育休に入る頃、すでに安部政権は女性活用を打ち出していました。

女性活用という言葉に妙な違和感を感じていますが、、

女性は活用”するもの”、”されるもの”というニュアンスに聞こえる違和感と、

活用されない女性はどのような存在だと定義付けされるのだろう、、

というものです。

話がそれましたが、想像がつかない育休明けに向けて、関連書籍を読んでみました。

そこからひとつ私が考えさせられた「育休世代」のジレンマ-女性活用はなぜ失敗するのか-(※)について紹介します。

簡単に内容を纏めます。


◆「育休世代」のジレンマ-女性活用はなぜ失敗するのか-より

本書の目的は次のように書かれています。

男性と同等に仕事をバリバリしようとやる気に燃えていた女性が、ずっと働き続けるつもりで就職したのに結婚や出産をして結局会社を辞めていくのはなぜなのか。

これは、いわゆるバリキャリであり育休取得を経験した15人へのインタビューをもとに書かれた修士論文を書籍化したものです。

調査対象者への質問は、基本情報のほか、次のようになっています。

  • 教育課程(キャリア教育の経験など)
  • 就職前後(就労継続への考え、就職先を選んだ理由など)
  • 結婚妊娠(就労継続への考え、妊娠判明後の職場反応、受けとめ、働き方の変化など)
  • 復帰前後(就労継続への考え、復帰ひた場合、職場反応、受けとめ、仕事と育児の両立見通しなど)

これらをひとつずつ分析し、15人が最終的に至った結果-「継続」「予備軍」「退職」と照らし合わせ、どのような場合にどの結果に至ったのかを述べています。

ここで各グループ(「継続」「予備軍」「退職」)において差異が出たのは次のとおりです。

・自分自身のジェンダーをどのように意識しているか(生い立ちが関係している)

・夫に対する分担期待度

・復職後の職場理解

詳細は次のとおりです。

●各グループの特徴とは

「継続」グループ

・自分を女性だと認識、受容している。

・夫は仕事調整してまで育児参加しなくていい

・職場は制度や女性が働く文化が整っている。周囲の理解あり

このグループは、「育休後昇進を目指さず継続する/子供がいる女性としての活躍を目指す」人たちです。

「予備軍」

・自分は女性であると、特に意識したことはない

・夫には仕事に支障のない範囲で分担求める。

もしくは分担は求めない

・職場は本人と上司が工夫して働けるようにしている。

または、過剰な配慮(一般職への転向、業務軽減で雑用係に)あり。

・その他 第2子妊娠しているなど。

このグループは、「まだ退職はしていないが、上司が変わる/異動になるなど職場環境の変化で退職する可能性がある」人たちです。

「退職」

・自分は女性であると、特に意識したことはない。もしくは抵抗(男性と張り合ってきた)

・夫には分担は求めない

・職場は過剰な配慮あり(一般職への転向、業務軽減で雑用係に)。

また無関心もある

このグループはやりがいを求めているのにも関わらず、現実とのギャップにより働く意欲を低下させたり、その他要因で退職した人たちです。

続いてこの退職した人たちにフォーカスしてみます。

●なぜ、退職したのか。

「退職」グループの人たちは、入社時に「女性としての働きやすさ」を重視してしませんでした。

ジェンダーとしても女性意識を持っていません。

このような人たちがいざ復職すると職場が過剰な配慮をするなど「やりがい」をなくす傾向にありました。

「男なみ発想」を持つ人が「女ゆえ」に退職するというパラドクスだと述べられています。


◆自分を照らし合わせてみると

私は「予備軍」にあたります。

育児しながら働くということについて、上司と定期的に話し合っています。

しかし条件次第では退職も考えています。

「どのように働くか」を冷静に見直せる今、これまでの考えを捨てて、今後の人生に期待を持って見つめてみたいと思っています。


(※)中野円佳(2014)「「育休世代」のジレンマ-女性活用はなぜ失敗するのか-」