【こどもの可能性】人の痛みがわかるということ

私は、こどもには「人の痛みがわかる」人間になってほしいと願っています。

そもそも「人の痛みがわかる」とはどういうことなのでしょうか?これは「痛みの共感」とも言い換えられます。

“感情移入”してしまって一緒に泣いてしまう人もいれば、”共感”できる人もいるでしょうし、客観的な立場から冷静に分析する人もいると思います。

私は感情移入派で一緒に辛く暗い気持ちになります。

しかし当の本人が感じていることと同じことを感じられているわけではないとも思っています。

今日は「痛みの共感」をテーマに書いてみたいと思います。(茂木健一郎「脳を活かす子育て術」より)

◆「痛み」とは

痛みには2種類あると言われています。

それは、

痛みを感じる(痛みそのもの)」と

その結果生じる感情的な反応痛そうだなと感じること。その場面をみて背中がゾクゾクするような感じ)」

というものです。

◆2種類の「痛み」は脳に関係

“痛み”を感じている時に反応している脳の部位と、”痛そうだな”と感じる時に反応している部位は異なります。

例えば、身近な人の痛がる様子を見ているときには”痛み”を感じる脳の部位は反応していないのに、”痛そうだな”と感じる部位は反応しています。

なお、身近であればあるほど、反応が強いという実験結果があります。

◆「痛みがわかる」は精神論ではない

痛そうだなと感じる、すなわち他人に共感するという脳の部位(感情システム)は、直観や判断といった能力に関係が深いと言われています。

直観や判断は答えのある問題を繰り返し解く練習をしても鍛えることができません

この能力は創造力やコミュニケーションに関係しています。つまり「痛みを共感できる」ようになるには、真剣に生き、きっちりと人と向き合わなければなりません。

またこどもに対しても、創造力を伸ばし、発想豊かに育つよう適切な支援をしていくことが大切なのです。

※なお、創造力をテーマにしたブログを2017年12月28日に書いていますので、良ければ参考にしてください。