思考するということ。

「思考」って何だろう。

「思考力」がなぜ必要なんだろう。

お正月に実家に帰省して、娘(3歳)と母(認知症)を見て思考って何だろうと考えてました。

残念なことに私の母にはもう思考する力がありません。脳の大半が失われているからです。

娘はいつもの帰省と変わらず、何とか母の面倒を見ようとしますがこのお正月は太刀打ちできませんでした。

母の手を繋ぐとふりほどかれてしまう。

娘は幾度となく考え諦めて「お母さん、外で遊ぼうよ」と何度も私を誘ってきました。

最近の母はピアノの鍵盤を割れんばかりの力で叩きつけます。(人差し指となか指の二本で)

あまりの音に耐えきれず父がピアノを閉めたにも関わらずまだ何かを叩こうとする母。

すると娘がなにやら話しかけていました。

「ばあちゃんばあちゃん、こんにちは。僕のことを持って」

母は無反応。

諦めず話し続ける娘。

母が反応することはありませんでしたが、いつの間にか叩きたい衝動はおさまったようで・・・

近寄ってみるとピアノの上にぽつん。

母に話しかけていたのは雪だるまでした。

「学び」とは、

覚えることではなく答えを持たず多角的に物事を捉えることだと言われ、あれこれアプローチ法が紹介されていますが、

もちろんそんなふうに設定されたことに対してとことん考え尽くすことも思考を鍛えるのかも知れませんが、

生身で人間と向き合い喜びも辛さも感じることで思考し、そこから本当の学びが生まれるんだろうなと思っています。

母は一日中焦点も合わずボンヤリしているのですが、わずかにでもしっかりと感情はあるようで、父に背中をさすってもらったり手をひかれたりするとたまにツーっと涙を流すのです。(これを見ると私も泣いてしまうのですが)

すると娘は「ばあちゃん嬉しんでるね」(←嬉しいと喜んでるが混ざってる)と言います。

思考って、何なんでしょう。

思考力って、何故必要なんでしょう。

娘ちゃん、スヤスヤ・・今日もありがとう