人生に感謝できる子どもの育て方(前編)

「あなたは人生に感謝ができますか?」

これは児童精神科医の佐々木正美先生による、初めての人生論を書いた本。

佐々木先生といえば“こどもへのまなざし”などの育児書が有名ですが、先生が77歳のときに人生を振りかえりながらも、

・生きていく上で何が大切なのか、そしてその大切な部分を人はいつどのように獲得していくのか

を述べたのがこちらです。

小さな子どもを育てる私たち親も、そして親自身も、また育児にかかわらない人たちも本書で書かれている年齢別に課せられる大切なテーマをクリアしているのかを見つめなおせる一冊です。

本書は精神分析家のエリク・H・エリクソンによる「ライフサイクル・モデル」という理論を、佐々木先生自身が子どもたちやその家族と接する際、何度も自身の中で参照し立ち返ったというもので、「ライフサイクル・モデル」を私たち誰しもの人生に当てはめることができるように書かれています。

そして、人生の最後に問われるのは「人生に感謝ができるか」ということ、だと。

ライフサイクル・モデルとは人間が乳幼児から老年期まで、生涯を健康に幸福に生きていく道すじを表した幸せに生きるためのモデルです。

その道すじは、年齢別に人生を八期に分けそれぞれにテーマが設定されています。(年齢によってどの時期にあたるかは人生が100年時代になった今、個人によってずれがある)

ただし、この発達の順番ともいえるテーマは決して飛ばしては進んでいけないというものなのです。つまり必ず経験しなければいけないものとして「危機的な主題(サブジェクト・オブ・クライシス)」とよんでいます。

ちょうどモンテッソーリも、人間には課せられた課題がある、と言って

赤ちゃんの首がすわり、寝返りを打ち、ハイハイして歩くようになる、という成長の順序性を唱えたのと同じように、精神にも順番を入れ替えて発達できない、むしろ、早くできるようになることを促すような子育ては子どもに大きな損害をもたらすというのです。

人生の最後に問われる「人生に感謝ができるか」-

そして「人生に感謝できる子どもを育てる方法とは」-

「ライフサイクル・モデル」と「危機的な主題」については後編で。