【本の紹介】モンテッソーリ教育(理論と実践)第4章5

今日は「現代に生きるマリア・モンテッソーリの教育思想と実践」の第4章5項を紹介します。

KTC中央出版

現代に生きるマリア・モンテッソーリの教育思想と実践~空想的想像力から科学的創造力へ~

第1章 改革者としてのモンテッソーリと近年における世界のモンテッソーリ教育(早田由美子)

第2章 モンテッソーリ教育の内容・方法の概容と今日の実践が引き継ぐもの(森下京子)

第3章 モンテッソーリ教育の普及と逆境、そして発展-経験主義、ファシズムに抗し、宇宙的視野で生命を尊ぶ子らを育てる-(野原由利子)

第4章 モンテッソーリ教育における自己表現活動の特徴

1 モンテッソーリ教育における自由と自己表現活動の理論と特徴(島田美城)

2モンテッソーリ教育における音楽教育の内容・方法とその発展(藤尾かの子

3モンテッソーリの幼児の音・音楽活動の実践例-横浜・モンテッソーリ幼稚園の取り組み-(島田美城)

4モンテッソーリの美術教育の内容(奥山清子)

5モンテッソーリの幼児のアート活動の実践例(村田尚子)(⬅今日のブログ)

第5章 モンテッソーリ障がい児教育の理論と実践-保育の中の療育-(木下めぐみ)

第6章 モンテッソーリ教育リバイバルから半世紀を経て見えてきたこと(相良敬子)

第7章 モンテッソーリ教育の遺産と課題

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第4章 モンテッソーリ教育における自己表現活動の特徴

5モンテッソーリの幼児のアート活動の実践例(村田尚子)

(1)モンテッソーリ自己表現活動の位置づけ

モンテッソーリは表現に関する理論と実践ついて、

「子どもは自由に創作し自分自身を表現させるに任されているとき、実際に創作し自分自身を表現することができるのである。

描画のための唯一の準備は生活そのものである。」

と延べた。

(2)モンテッソーリ教育活動からアート活動への関連性

1. 3歳児

  • 感覚教具の取り組み

子どもたちは感覚教具のお仕事によって五感が洗練されていくなかで、具体物から抽象化の世界へと繋がる。

・色板Ⅰ・Ⅱ

1歳児クラスでは、日常のさまざまな色に興味があり、頻繁に色を訪ねる姿が見受けられる。

2歳児クラスでは、色板Ⅰ・Ⅱにより【色】の概念が整理されていった。

  • 描画コーナー

色水作りコーナー

ピッチャーに入った基本色「赤・青・黄」の色水を、透明のコップに入れ混ざりあい変化する様子を観察。

色板による色の名称を理解していることで、混ざりあうとどのような色になるのかを発見することが子ども達の満足感に繋がっている。

・水描シート

水描シートで筆の扱い方、水加減を知ることができる。

色水作りから絵の具での描画活動までの過程で、水描シートでの活動を楽しみ繰り返す姿が確認できた。

・絵の具コーナー

筆の扱い方を経験した子ども達は、実際の絵の具三原色(赤、青、黄)を使い色作りを楽しむ。

2. 4歳

感覚教具、幾何学タンスの取り組みでは視覚や触覚を働かせながら手の運動を通して形をとらえる経験を土台にしメタルインセットで形を再生する事を繰り返し行ってきている子どもたちは、描画活動で魅力的な模様を描くことができるようになっている。

-本章では、横浜モンテッソーリ幼稚園の子どもたちの作品が紹介されています。

描画、観察画、また製作物(ペットボトルので作った入れもの、粘土、季節のもの)卒業製作など。

ここにこれまでの感覚教具や観察、手の運動による表現活動の様子が説明として添えられている。

(3)まとめと課題

モンテッソーリは、自由画=言葉や文字による表現が十分にできない段階での絵による表現の意義を認めている。

しかし、「自由画には、生活体験、観察、感覚の練磨による「見る目、従う手、感じる魂を作り出す」ことが必要である」と述べている。

また「子どもは表現の為の全ての可能な方法を模作している。彼らのほとばしる生命に対して言葉だけでは十分ではないからだ」と言っている。

大人は道具の使い方、テクニックのみを伝え、子どもたちは、見る目、従う手、感動する心、をはぐくむことが大切なのである。

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本章ではモンテッソーリ幼稚園でのアート活動の実践例が詳述されています。

そして、モンテッソーリの考えた「子どもの内面からあふれだす生命」を描くために、色彩感覚から筆の使い方までを体得するための教具が紹介されています。

アートにより内面を表現するための手段は他にもあるかも知れません。

しかし子どもの敏感期に寄り添い、これらの環境を整えることが出来れば、間違いなく子どもの中には豊かな土台ができあがると思います。