【こどもの可能性】モンテッソーリ教育(感覚の敏感期)

こどもを観察していると、次々と敏感期が表れてくるのがわかります。

運動の敏感期はとてもわかりやすく何年も継続して表れます。そして次第に「感覚の敏感期」や「秩序の敏感期」、「言語の敏感期」も表れます。

※敏感期は決まった順番があるわけではありません。また、こどもによってはすべての敏感期が表れるわけではありません。

そこで今回は「感覚の敏感期」について書きたいと思います。

「感覚」とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の「五感」を意味します。感覚の敏感期では「見る、聴く、触る、嗅ぐ、あじわう」などの感覚の感受性がとても強くなります。

「感覚の敏感期」は一生に一度の感覚を磨く時期であり、この頃に五感を磨かなければその子の感覚は生涯鈍くなるとまで言われています。

感覚の敏感期を年齢で分けて、その特徴を説明します。

  • 0歳~3歳

感覚器官が成長、成熟します。
この頃に五感で感じた感覚的印象をすべて溜め込みます。こどもはそれが何であるかは意識はしません。

このときの「実体験」が、後に、優れた感性を持つことにつながっていきます。

こどもには可能な限り外界から感じとる感覚を多く体験できる環境を作ることが重要です。

  • 3歳~6歳

これまでに溜め込んだ感覚的印象を整理、分類し頭にしまっていきます。

このときに「感覚教具」が大きな役割を果たします。

こどもが感動しているときは、共感しましょう。共感されたこどもは自分の能力に自信を持ち、自分の感性を信じます。

感覚の敏感期を伸ばすと、後に表れる言語、数の知的好奇心が伸びていくと言われています。

◆感覚の敏感期にみられる行動(例)

①見る:蟻の観察、蛇口や水の流れを観察する

②聴く:救急車や飛行機、ヘリコプターの音など生活の中にある音に反応する

③触れる:壁や塀を触る。いろいろな触感を試すように触る

④嗅ぐ:匂いだけで持ち主がわかったりします

⑤味わう:微妙な味がわかる時期。季節はずれの野菜(おいしくない)は食べないこともある

◆感覚の敏感期への対応

モンテッソーリ教育では、五感を磨くのに適した道具(教具)があります。

例えば嗅覚であれば、さまざまな匂いの(ハーブや、コーヒーなど)する入れ物を準備します。それぞれの匂いの入れ物を二つずつ準備し匂いを嗅いで、同じものを対にします。

味覚、聴覚、触覚、視覚、すべてに適した教具がありますが、家の中にあるもので代用することも十分可能です。

この「感覚の敏感期」ですが、運動の敏感期と見分けをつけるのが難しいときがあります。

私自身、娘を見ていて「運動?」「感覚?」と、どちらの敏感期かわからないことがあります。

例えば、公園の砂をつかんで投げている時。

※まずこのとき、他人に危害を加えたり本人に危険が及ぶときはやめさせます。またルールとして問題があるときもやめさせます。(食べ物を人に向かって投げる行為があるとしたら、食べ物は投げるものではない。粗末にしてはいけない。人に向かってものを投げるのは怪我の可能性もあるので禁止する、など)

※モンテッソーリ教育は「規律の中の自由」を大切にしているので「敏感期」であっても好き勝手やらせても良いのではありません。

この「砂を投げる」については、

つかんで投げることを楽しんでいれば「運動の敏感期」であり、

砂のジャリジャリした感覚、サラサラした感覚を楽しんでいれば「感覚の敏感期」です。

娘の場合、どちらかわからなかったのですが、家でひたすら輪ゴムの束を握って遊んだりセラミック製のすりおろし器(目が細かく触っても怪我しない)を指でなぞっていたので「感覚」だと判断しました。

しばらくは輪ゴムがお気にいりでした。

こどもを観察し、何に対して興味を持ち楽しんでいるかがわかれば(私の場合)輪ゴムを散らかしても怒らずに済みました。

知ると”子育てへのイライラも減る”のがモンテッソーリ教育の良いところだと思っています。

次回は、「秩序の敏感期」について書いていきます。