【子育て】広い世界で育てたい
日々の子育ての中で感じることがあります。
それは物事には原則がある。成長にも原則があるということです。
こどもは無力で生まれてきて、少しずつ成長していきます。首もすわらずただ上を見て寝ている状態から、ハイハイし、1年もすれば歩き出します。喃語が出たかと思うとしゃべり出します。
この成長は、順番の前後はあれども誰もショートカットも回り道もできない自然の原則だと思うのです。
そして親としては、育児書やまわりの人たちのアドバイスを受けながら、こどもを育てていきます。
私が感じているこどもの成長というものは、
体の成長
心の成長
人間らしい知能と心理の発達
というものです。
ここで親がこどもの人格形成に与える影響はどれくらいなのでしょうか?
脳科学者の茂木健一郎さんは講演で「親が子の人格形成に与える影響は限りなく0に近い。こどもは親以外のものに絶えず触れ吸収していく」(つまり、親も影響を与える一要素にしか過ぎない)とおっしゃっていました。
そして親が与えられるものは「安全基地」=こどもは無条件で受け入れられ自分は存在しても良いのだと思えることである、と何度も話されていました。
つまり、成長の基盤となる安全基地を作るのは親だが、こどもはその後出会う多くの環境により成長していくということなのです。
◆こどもに与えられる環境について考える
0~3才のこどもは無意識でまわりの環境をひたすら吸収していきます。
実際、私の娘が、大人のような仕草をしてみたり驚いた時に出す声のトーンが私とそっくりだったりして驚いたことがあります。
これを見たときにとても大きな責任を感じたのです。
例えば、整理整頓のできた部屋と散らかし放題の部屋で考えると、娘への影響はどのような差があるのか。
あちこちの部屋から娘が運びいれる物で、片付けても片付かない部屋で過ごす娘。
これが秩序が気になり出す頃(0~3才までにおとずれると言われる特定の期間)にどのような影響を与えるのか。
この期間は、成長の原則として避けられないものだとします。
結局のところ、娘に与えられる環境が私しかなければ、娘が吸収するものは私自身になるのです。
“3才までは母親が育てるのが好ましい”と言われますが、これは偏った解釈につながることもあると思っています。
もちろんこどもの愛着形成、安全基地は母親(養育者)の役割です。
しかし3才までは、家にこもって(母親との空間に)いなければならないということではありません。
環境のすべてを吸収する年齢であればこそ、多くの人に出会い、育てられ、広い世界で経験を積み重ねることが大切だと思うのです。
親以外の人たちが、こどもの目をしっかりとみて接し育てる社会になるよう、自分から変わっていきたいものです。