【働く】育休前(前編)-「転職」という選択肢
社会人になって、一度は転職という文字が脳裏をよぎったことがある人も多いと思います。就職においては2001年から「あなたの就活を漢字一文字で表すと?」という調査がスタートしました。私の入社年は有効求人倍率が1.0を割っていて「苦」でした。ここ5年は「楽」というのですっかり売り手市場ですね。
さて、ここでは実際に転職活動をした一人として、その選択肢が持つ意味を考えてみたいと思います。
- なぜ転職活動をしたのか。そしてなぜ今の仕事をとったのか。その後どのように変化したのか。それを数回にわけて書いていきます。
私は育休取得まで、法人向けITシステム営業をしていました。難しい業界の中で、悩みながら歩き続けてきました。転職したいと思う一方で、充実した会社の教育に魅力を感じていました。
転職活動をはじめたのは入社4年目。配属希望の事業部でも業種でもなかったこともありモチベーションの低下に悩みながらも私を毎日の業務に駆り立てたのは「責任」の2文字でした。しかしそれを打ち消したのは“10年後の鬱々とした自分の姿”でした。今やらなければ抜け出せない。その一心でした。
転職希望先は1社のみ。そこには大学時代の部活の大先輩が勤めていましたが「構造不況」「キャリアストップ」という言葉を頻繁に口にしていました。
難しい試験に、厳しい面接を何度か乗り越え、内定まであと一歩というところまできていました。最終面談は意思確認のみと言われていましたが、そうなってようやく自分の心の声と対峙しなくてはならなくなりました。
「イヤなことから逃げ出して解決するの?転職先だとモチベーションが続くと思うのはなぜ?」という問いかけでした。
メリット、デメリットを書き出し比較しましたがそんなのは机上の空論でしかありませんでした。「自分がなりたい自分とは」「働くことでそれに近づけるのか」突き詰めて考えると「生きる目的は何なのか」。重要なのはそれをどうやって実現できるかです。
転職とは、それを可能にするかも知れない、ひとつの可能性に過ぎないと気づいたのです。
私はなりたい自分もあやふやなまま、目的と手段をごっちゃにして進んでいました。
そして今一度、この辛い状況の先にあるものを見てみると決めました。それが見えたらおそらく納得して次へ進める。もしくは動きながら見つけるぞ、という決心がついたら再度活動してみよう、そう決めて今の会社に残ることを決めました。
転職先へは、最終面談日の連絡期日当日朝5時半に面談辞退の申し入れを行ったのでした。