【子供の可能性】オススメ子育て関連本(赤ちゃんの不思議)
私が出産するにあたり読んだ本の中で、とても勉強になった一冊を紹介します。
この本からは人間の生まれ持った能力を知ることができます。
私は子供は家庭だけでなく社会で育てるものだと思っていますが、その時に一人一人がとても大切に思える一冊です。
【関一夫「赤ちゃんの不思議」岩波新書】
これは赤ちゃん学という研究分野において、解明されていないことも含めて実験結果が書かれています。
育児に特に参考になった個所を紹介します。
1. 生後間もない鏡を見たこともない赤ちゃんがとる不思議な行動について
- 赤ちゃんは目の前の人物と同じ表情を作ることができます。
- 顔のパーツをぐちゃぐちゃに並べた(口が額にあり、目が上下に並べられ、鼻が逆さまに書かれた)絵と、普通の顔を見せると、普通の顔を好みます。
- 目が横を向いているか、正面を向いているか、では正面を向いているものを好みます。
赤ちゃんが生まれもって表情を真似し、正面を向いた目を好むということから、
育児するにあたり、柔らかい表情で真正面から向き合うことが大切なんだと理解できます。
2.モラルは教育の賜物?
しつけや教育が始まる前の赤ちゃんでも利他的行動をする対象を好むことが実験で示されました。
・坂道で頑張って上っていく人を、
上から邪魔する絵、下から支える絵、
(人物は丸と四角で表現)を紙に書きます。すると赤ちゃんは下から支える絵を好んだというものです。
具体的には次のことがわかっています。
・6ヶ月では利他的行動を好む
・10ヶ月では他者の気持ちを汲む
子どもにとっては、親が人を助け、また人の気持ちに共感する姿をことが大切です。
3.超早期英語教育について
①生死に関わる場合は聞こえるようになる、ということと
②興味を持つと聞こえるようになるということです。
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①生死に関わると聞こえるようになる、について
9ヶ月頃の赤ちゃんにおいて、
DVDではなく生身の人間から、
母語以外の言語を1回25分を4週間、計12回聞いただけでその言語を修得したという結果が出ています。
ポイントは、
人の声であるということです。両親とコミュニケーションがとれなければ生死に関わるためだと考られています。
つまり環境的に必要であれば聞こえる。環境的に不要と判断すると聞こえなくなる。ということです。
②興味を持つと聞こえるようになる、について
DVDであっても、赤ちゃんがタッチした時にだけ音が流されるものの場合は効果がありました。
つまり興味を持って聞いた場合は効果があったというものです。
現在、家庭内外でどのように英語環境を作るかを試行錯誤しています。今後は、その内容と効果を綴っていければと考えています。
4.三歳児神話について
私が幼児教育や教育の謳い文句で疑問を払拭できないものがあります。
「三歳までが大事」というものです。
・まず「三歳まで」の根拠です。
これは「ある種の認知機能の臨海期(言語、視覚系認知機能が学習、獲得ができる特定期間)」が三歳とされていることに基づきます。
しかしこれは視覚系の神経についてのみ証明されていて、脳神経全体の話ではないと書かれています。
・次に「三歳までに母親からの愛情を十分に受けなければならない(愛着形成されない)」についてです。
この場合の、三歳には根拠がなく、さらに母親のみというところにも根拠はありません。
祖父母、施設や保育士など母親以外からの愛情により、きちんと愛着形成はなされるとされています。
この本を読んで、人を育てることに面白さと責任を持てました。
これから育児、保育に関わる人には特に参考におすすめの一冊です。