【こどもの可能性】モンテッソーリ教育(秩序の敏感期)

敏感期として表れる「秩序感」。

「秩序に守られた子どもは堅固な土台をもつ建築物のような安定した人格を築くことができる」とマリア・モンテッソーリは言いました。

それでは「秩序の敏感期」とはどういうものなのでしょうか。

◆秩序の敏感期とは

1歳頃~3歳頃までに「秩序感」(こだわり)という特別な感受性が強く表れます。

「いつもの順序(順序)」

「いつものやり方(習慣)」

「いつもの場所(場所)」

にこだわり、これが変わったり乱れたりすると火がついたように怒ったり、てこでも動かないということがあります。

これは 0歳~3歳が「無意識記憶」といって見たものをそのまま写真のように記憶することに関係しています。

こどもは見たものをそのまま記憶します。これまでここにあったものがなくなったり、場所が変わっていたりすると「いつもと同じ」ではないために混乱するのです。

こどもは右も左もわからない社会の仕組みやルールを、秩序づけて覚えようとしています。

◆順序

外出するときに、服を着る➡靴下を履く➡リュックを背負う➡帽子をかぶって出発という流れが、ある日変わったとします。

服を着る➡靴下を履く➡帽子をかぶる➡リュックを背負うというように変わったとき、親はそれに気づきません。

しかしこどもはそれではだめなのです。

親はどっちでもいいじゃない、と思いますが、こどもは「いつもの順番がある!」と思っています。

そんなときは、いつもの順番に戻してやるとすんなりいくはずです。

急がば回れ、ですね。

◆習慣

いつも掃除機をかけると後ろからついてくる娘。

昨日はこの棚の下を掃除したから今日はいいか、と思って掃除機をかけなかったら何度もその場所を指差してきます。

親は、いつも掃除してるから今日はいいの、と思いますが、こどもは「いつもと同じだから今日だけ違うのはだめ」なのです。

◆場所

昨日はここになかったものが、今日はここにある。こどもはそれにすぐに気づきます。

食卓でも、それぞれの椅子に座る人が決まっています。なので、パパの椅子に違う人が座ると「そこはパパの椅子だ」といって怒るのです。

このようにこどもは1歳を過ぎた頃からあれこれ指図してきたり「あれもいや、これもいや」と頑固になったりします。

親としては「時間がないのにイライラする!」「ワガママばっかり言って!」と思ってしまいがちです。

しかしそれは「秩序の敏感期」なのです。こどもがルールを持って世界を理解しようとしていることを単なるワガママだと思わずに、こどもなりに頑張って成長しているんだな、と思えれば、いろいろな主張もほほえましく見えるのではないでしょうか。