こどもの自立は日常生活から

モンテッソーリ教育は、その活動内容から早期教育と言われることがあります。

確かに小学校へ上がる前に「算数教育や文字を書く練習などに取り組む」と聞けば早期教育だと解釈されることもあるでしょう。

モンテッソーリ教育の目的として「全人格の形成」があげられますが、その基本には「自立」があります。

そこで、自立と日常生活の関係について書きたいと思います。

◆自立した日常生活と、日常生活による自立は両輪で発展する

自立した日常生活を送るには、日常生活のなかで自立していくことが必要です。

どういうことか・・?

子どもが自分のことを自分でできることを自立というならば、自分でできるようになる手助けを大人や子どもが生活する環境がしなければなりません。

子どもは生れた時から、自立にむけて心身を発達させていきます。

その発達しようとする力を阻んでいませんか?

◆自立に必要な力とは

日常生活にある小さな選択肢からでも「自分で選び」「自分で決め」「行動する」ことが重要です。

日々の生活は朝起きたときから、選択の連続です。

起きる、か、寝過ごすか、も選択ではありますが小さなこどもであれば「何を着ていくか」が、選択することを意識した朝の行動の代表例となります。

「今日は暑いから、これとこれを着ていって」と親が決めてしまっていませんか?

さらには、子どもからパジャマをはぎとり、その服を被せるようにして着替えさせていませんか?

まずは、「服を選ぶ」ということから、子どもに「選択する」「決定する」ことを習慣づけていきましょう。

次に、親に言われなくても行動する、ということも自立に必要な力です。

子どもにとって、次に何をするのか計画を立てることは難しいものです。

未就学児には、過去、現在、未来といった時制を意識することは難しく、特に、未来を計画をするというのは小学校に入るくらいでも難しいと言われています。

ここでは、朝起きたときにでも、出発するまでの行動を可視化することが有効です。

当日、行動をイラストにしたマグネットで、やるべき行動の順番(着ていく服を決める➡着替える➡顔を洗う➡ご飯を食べる➡歯を磨く)に並べて見えるようにしておきます。

そうすれば子どもはそれをみながら行動を順番にこなしていきます。

もし、その行動のなかで複雑な手順を踏むものがあればどうすれば良いでしょうか。

それも行動を分析しイラストで示します。

トイレや洗面所で、手洗いの順序がイラストで書いてあるのを見たことがあるかたもいると思いますが、まさにそれなのです。

日常は、選択の繰り返しであり、その選択を実行することで成り立っています。

その手助けをして「できた」が積み重なることで子どもは自信をつけ、新しいステップに踏み出します。

子どもに「できた」をたくさん経験させてあげることをおすすめします。