モンテッソーリ的 自立への導き方
子どもに自立してほしいと望む親はたくさんいると思います。
そもそも子どもの自立とは何なのでしょうか。
そしてそれはいつから始まるのでしょうか?
今日は自立について書いてみたいと思います。
◆自立はいつから始まっている?
自立は子どもが生まれた瞬間から始まっています。
生まれたての子どもは、
「吸啜(きゅうてつ)運動(吸う)」「嚥下(えんげ)運動(飲み込む)」「呼吸運動」
の3つしかできません。
それが1歳になる頃には歩き始め、2歳になる頃には話し始めます。
子どもは著しくも順序立てて成長、発達を遂げていきます。
このように「自分ひとりだけのちからで何かをできるようになること」を自立と言います。
◆子どもは自然と自立する?
周囲からは「うちの子は一人でパジャマを着るよ」という話を聞いたりハサミを使える子どもがいたり・・
他の子どもが出来ていることが、わが子にはまだできない。
そんな時、思わず「みんな自分でやってるよ」「ほら、一人でやってごらん」と言いたくなります。
そして、出来なければ、うちの子はなかなか自立しない、と思ってしまいがちです。
それでは自立させるためにはどういった手助けをすれば良いのでしょうか。
「もうできるでしょ」と思って子どもに声掛けしても出来ない、つまり「一人でやりなさい」は、自立を促す声掛けではないのです。
なぜなら子どもは出来ないのではなく【やり方がわからない】からなのです。
◆一人でできる=自立へ一歩を踏み出すためには
子どもができない動作、例えば
【一人でボタン付のパジャマを着る】。
ボタンが止められない・・このときは【ボタンを留める】動作をゆっくりゆっくりとやって見せます。
難解な動作を切り出し、
見てて、とだけ声掛けし、
無言でゆっくりやってみせる。
これがうまくいくと子どもは息を呑んで動作を見つめます。
また、
【ハサミを使う】。
刃の部分は危ないから触らないように、という言葉のあと、
持ち手にゆっくり指を通し、ゆっくりと切る動作を見せます。
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このように、
難しい動作を切り出して、
言葉で教えるのではなく、
ゆっくりと黙って行動で見せる、
これをモンテッソーリでは【提示】といいます。
子どもは見たことをそのまま真似します。
やり方がわかり、真似し、失敗してはまたその動作をする・・
これを繰り返してひとつひとつのことが出来るようになることが【自立】していくということなのです。
子どもの自立を支援するのであれば、
「これくらいひとりでできるでしょ?」ではなく、出来ないことは、出来るまでゆっくりとやって見せてあげてください。