【こどもの可能性】モンテッソーリ教育(発達の4段階)
モンテッソーリ教育を開発したマリア・モンテッソーリは、「母親は膝の上で 国家の未来を左右する」と言いました。
我が子は自分のこどもではありますが、将来国家をつくっていく重要な社会の一員なのです。
これはモンテッソーリ教育で考えられている「発達の4段階」を知ることで理解ができます。
発達の4段階では、誕生から成長までの24年間を6年ごと(※)にわけて考えます。
ここでは「発達の4段階」の特徴について書いていきたいと思います。
※モンテッソーリ以外の教育法で有名なシュタイナー教育では7年を成長の1サイクルとして考えます。また、発達心理学者であるピアジェは異なった成長サイクルを唱えています。
ただし、いずれも、
発達には順番があること、その発達に寄り添うこと、の重要性についての違いはありません。
◆発達の4段階
【0~6歳(乳幼児期)】
・前半(0~3歳):
無意識ですべてのことを吸収します。
聞いた言葉をそのまま覚え、見えたものは模倣します。
匂いも味も、わずかな違いもそのまま取り込みます。
・後半(3~6歳):
前半期に無選別でバケツに放り込まれた感覚を自分の意志で整理し始めます。また「数」などに興味をもちはじめます。
こどもが小石など身近なものを、大きさの順や濃淡などで並べたりするのを見たことがある人もいるかと思います。
こうしてこれまで得た情報も自分の意志で分類したり整理したりします。そしてこのような「数」への関心は、算数を習うずっと前から始まっているのです。
この時期に現れる「敏感期」に従い、大人の都合によってやりたい活動を制限されずに育ったこどもは「自分で選んだことを」「最後まで」できる満足感を知っています。
これが後に「自分で選んだことをやり抜く力」へとつながっていくのです。
【6~12歳(児童期)】
実際に経験していないこと、場所、過去・未来についても「原体験」を土台として理解できるようになります。
例えば「砂漠」。「砂」「熱い」「広い場所」といった具体的な体験を統合することができるようになります。
また、探求心も旺盛になり、なぜ、なぜと質問が多くなる頃です。
ここでの「原体験」では、乳幼児期に五感で感じ、知ったものが重要な意味を持ちます。いくらバーチャルで砂漠を見たとしてもそれを感じることはできないからです。
【12~18歳(思春期)】
心身の変化が大きい時期です。
家族より友達を大切にし「私は社会のどこにたっているのだろう」など自分と社会の関わりについて考える頃です。
また幼児期のニーズを充分に得られなかった場合、問題行動を起こすこともあると考えられています。
マリア・モンテッソーリは、この時期には「自分たちの手でいのちを育て、いのちの循環を知る」ことができる農業が有効であると考えました。
【18~24歳(青年期)】
これまでに自発的な育ちを尊重されてきたこどもたちは、自分らしい人生を歩みはじめるとマリア・モンテッソーリは言っています。
それはコミュニティの中で自分を見つめ、社会に貢献し、恩返しできる自立した人間になるということ。
これがモンテッソーリ教育が「平和への教育」と言われる所以です。
マリア・モンテッソーリの言った「母親は膝の上で国家の未来を左右する」を思い出すと、子育ては単なるわが家の躾でもなければ親の夢を再現する手段でもありません。
社会の宝を育てていくことなのだと、誇りに思えてきませんか。