【こどもの可能性】モンテッソーリ教育‐感覚の敏感期に寄り添う
私の実家は、小さな畑が近くにあり、用水路から水が流れ入り、近くには小川も流れています。
水の音に聞き入り、金柑の木から小さな実をもいで(隣の家のおじさんごめんなさい。)匂いを嗅いでみたり、娘を連れて散歩をしていると興味と好奇心が止まらないのが見ていてよくわかります。
モンテッソーリ教育では感覚の敏感期(感覚:五感)を逃すと、その時期の感受性を取り戻すことは生涯難しいと考えられています。
聴覚であれば絶対音感やネイティブの外国語(これは努力次第でいかようにもなります。ただし無意識的に頭に入りこんでくるこの時期だけはネイティブの発音を難なく吸収します)、
嗅覚、味覚もこの時期に出来上がっていきます。
それでは感覚の敏感期を逃すと、取り戻したり発達させることはできないのでしょうか。葉加瀬太郎さんがとある番組で「絶対音感ではなく相対音感はある」とおっしゃっていました。
バイオンリンの基本の音は「ラ」です。ラを中心に音階がわかるということです。
これは長年の練習で習得したもので、おそらく外国語の習得に近いのではないかと思います。
(訓練すればネイティブの方と遜色なく会話できる”耳”ができる)
このように絶対音感ができあがる「敏感期」を逃したとしても、必ずしも手後れになるといったことはないと思いました。
これら五感が、体の感覚器官とともに出来上がる過程で役立つ道具(教具)が考えられているのがモンテッソーリ教育の特徴でもあります。
例えば、
- 嗅覚:嗅覚筒(瓶にさまざまな匂いを閉じ込めたもの。ハーブなど)
- 聴覚:雑音筒(瓶に、振ると雑味のある音がする素材をいれておく。小石、砂、米など)
- 視覚:赤い棒(長さの異なる棒を数本。長いものから短いものまで並べることで長短を感覚的に理解できる)
- 触覚:触覚板(いろいろなパターンの砂紙や木地を準備。さらさら、すべすべなど言葉を添える)
- 味覚:味覚びん(甘、辛、苦、酸の基本の4つの味を準備。1滴ずつ味見し甘い、辛いなど言葉を添えます)
これらは日常生活の中でも準備できると思います。
嗅覚であればハーブの匂いや花の香りを楽しめます。聴覚であれば同じサイズのコップをいくつか準備し水の量を変えて入れるとそれだけでも音階ができます。
厳密にはモンテッソーリ教育の教具は、こどもが集中できるよう、いくつかの工夫された点があります。(気が散らないように模様などは不要、など)
しかし、
こどもの発達を観察し寄り添っていれば工夫次第で「こどもが集中して楽しむ道具(教具)」を作り出すことができます。
春にむかう今からの時期は、どんどん外に出て大いに季節を感じることが感覚を育てていくと思います。